「稽古は常に愉快に実施するを要す」
これは合気道開祖である植芝盛平氏の道場訓だそうです。
昨今の体罰問題などは論外ですね。
武術ではリラックスというか力を抜くというのは重要な要素です。
しかしこれがなかなか難しい。
ある体術の会に伺った時のことです。
胡坐を組んで坐っている時に
「力を抜いてください。全部抜いてください。」と言われて
そのままの状態で「抜きました」といったところ、
即座に「嘘です。抜けていません。」と言われてしまいました。
「力が入っていたら坐っていられません。」(笑)
武術を使うときは基本的には緊張状態の時です。
斬るか斬られるか。
普通はそんな状態でリラックスなんかしてられません。
でもそれを可能にするために稽古するわけです。
技術的なことも大切ですが、リラックス状態を作り出すことの方が
はるかに難しい。
「平常心を養う」
カッコよく言うとそういうことです。
緊張状態で稽古してもうまくなりません。
リラックスして愉快に稽古することこそ上達の秘訣だと思います。
また、人前で演武するような状態に身を置くことも稽古の一つといえるでしょう。
そんなわけで静稽会の恒例「稽古総見」の日も近づいてきました。
楽しく稽古しましょう。