日本刀を継ぐ者

会の中でよくこんな話をします。
「文化財である日本刀は日本の宝であり、それを居合に使うのはいかがなものか」と。
私の使っている日本刀は江戸時代初期の刀です。そんな日本の宝を居合の稽古に使って良いものか?

しかしこんな意見もあります。
「日本刀は元々は武器であり、使われることが前提だ。使われてこそ本望のはず」
しかし、それなら現代刀を使うという選択肢もあります。会の中には頑なにそれを守り続けている方もいます。その方の日本刀に対する真摯な想いも理解できます。
 
先日、あるテレビ番組を見ていた時に「時の皇帝は過去の最高の文化財を所有することで歴史を継承し、権力の正統性を継ぐのだ」と言っていました。
確かに三種の神器などもそうかもしれません。

私は皇帝ではありませんので、勿論歴史を継ぐなんて大それたことは言えませんが、江戸時代初期に作られた小さい「歴史」を大切にしたいという想いはあります。
今、日本刀がドンドン外国人に買われてます。日本刀の販売会では外国人の方の多さにビックリするくらいです。

個人として小さな日本の「歴史」を居合とともに大切に継ぎたい。

日本刀を継ぐ人の想いは色々です。