力を抜くこと

静稽会の稽古場では必ず「力を抜きましょう」という言葉が使われます。
力を抜くということはどういうことなんでしょう。

先日、狩猟を趣味にしているIさんがこんなことを言ってました。
「鹿を撃った瞬間、鹿がまさに「落ちた」。その速さにこれかと思った。
力が抜けた瞬間とはこんな感じなのか」
まさに炯眼だと思います。

私たちは力を抜くと言っても、本当に全ての力を抜けるわけではありません。どこかで自己防衛本能がそれを否定します。
ある瞬間にある部分を100%力を抜くことは相当難しいと言えます。
それは身体操作の技術論でもありますが、心の問題でもあります。
さらにそれを武術的に有用な状態にまで高度化するのはさらに難しいことだと思います。

稽古が進んでいくと自己防衛や自己イメージで勝手に動く筋肉が武術的な動きを邪魔してることを知ることになります。

人間は自分の身体を自分の自由に動かせないんですねえ。これも心が邪魔しているとも言えます。
それを知ることが稽古の第一歩なのかもしれません。