深川不動尊

先日、稽古帰りに会員のIさんに深川不動尊に連れて行って頂きました。

適切な表現ではないかも知れませんが、ロックコンサートの様な迫力ある護摩祈祷を拝見しました。本当に凄いです。

 

本尊はもちろん不動明王です。
「不動」というのは動かないことですが、どういう意味でしょうか?

 

「不動智」と言うという言葉があります。
以前もこの静稽録に書いた沢庵禅師の「不動智神妙録」(禅を以て剣の極意を説いた書物)にはこう書いてあります。

 

「不動と申し候ても、石か木のやうに、無性なる義理にてはなく候。向ふても、左へも、右へも、十方八方へ、心は動きたきように動きながら、卒度も止まらぬ心を、不動智と申し候。」

 

一つの事にとらわれないのが「不動智」だと言うのです。
「不動智神妙録」ではとらわれた心では動けないと説いています。

 

「打太刀を見る事は見れども、そこに心をとめず、向ふの打太刀に拍子を合せて、打たうとも思わず、思案分別を残さず、振上る太刀を見るや否や、心を卒度止めず」

 

自分の刀の動きを気にすれば、自分の刀に心をとられ、打ち込む瞬間に気を使えば、それに心をとられてしまうのでよろしくないと言うのです。

 

普段の稽古で思い当たる方は多いのでは無いでしょうか。

 

不動明王はその「不動智」を体現しているという訳です。深川不動尊にあやかって不動明王のような「不動智」を身に付ける稽古を続けていきたいと思います。