稽古総見

静稽会は毎年6月の稽古総見に向けて一年間稽古を積んでいます。
そんな稽古総見がもうすぐやって来ます。

 

静稽会を設立する際に、普通の武道団体が使う「演武会」と言う名称を使うのは静稽会にそぐわないのではないか?という思いがありました。

「演武会」は一般的には演武を披露する会と言うことになりますが、私はなんだかそれだと物足りないような気がすると言ったところ、「では稽古総見はどうか」とHさんが提案してくれました。

 

元々、「総見」とは支援を目的とした団体が相撲や芝居などの興行を全員で見る「総見物」の略称なんだそうです。
しかし私はこの「稽古総見」という名称にさらに深い意味を感じました。表面だけの演武披露ではなく、一年間いろんな事情を抱えて稽古して来た総てを見る行事にしたいという思いがあったからです。

 

体調不良が続いた、ケガをしてしまった、家族が病気だったあるいは亡くなられた、仕事で稽古ができなかった等々、この一年間には人には分からない色んな事があったと思います。

 

オリンピックは4年に一度です。オリンピック選手はこの4年に一度のオリンピックに向けて全ての頂点をそこにもっていくため、あらゆる犠牲を払って取り組みます。
我々はオリンピック選手ではありませんので、あらゆることを犠牲にしてというわけにはいきません。
だからいろんな事情があった上での一年間の稽古はどうだったのかを確認します。

 

他人がどうだったのかは関係ありません。

あくまでいろんな事があった一年間の中で自身が稽古にどう取り組んだかを振り返ります。
そしてそれをみんなが見ている緊張感の中で記録に残して次の糧にします。

 

そんな訳で静稽会では「演武会」ではなく「稽古総見」と言ってます。
今年の稽古総見は6月3日に実施されます。
今回は他流派の先生方をお招きしてさらに実りある稽古総見になる予定です。