首提灯

真剣を使って稽古していると怪我をすることもあります。ただ不思議なことに稽古中に怪我をすることは滅多にありません。その怪我のほとんどは稽古が終わって刀の手入れをしている時です。

稽古の時は心の中でも刀は真剣なんですが、稽古が終わると同じ刀が心の中では真剣ではなくなってしまうので真剣に切られるという訳です。

まあお陰様で静稽会は設立から9年目を迎えてますが、大きな怪我をした人はいません。皆んな真剣と真剣に向き合ってきた結果だと思います。

これもまた真剣あるあるですが、刀傷の治りは早いです。日本刀の切れ味と言うのはものすごいと感じます。あまりにも綺麗に切れるので、くっつくのも早いのかも知れません。また切ったことに気がつかないと言うのもあるあるです。人から血が出てるよと指摘をされて気がつくのも珍しくありません。

そう言えば落語の演目にも「首提灯」というのがあります。

酔っ払った町人が武士に道を聞かれますが、町人は相手を田舎侍とみてさんざんバカにします。侍は刀の柄に手をかけると居合であっと言う間に酔っぱらいの首を斬ってしまいます。その斬り方があまりにもみごとだったので、酔っぱらいは首を切られたことに気がつかない。歩いて行くと首が自然に左へ回ってしまいます。元へ戻してもすぐ左へ回る。そのうちにつまずいて首が前に落ちそうになり、初めて切られたことに気づきます。そのとき半鐘が鳴りだして火事騒ぎとなり、人ごみのなかで首が落ちそうになるので自分の首を提灯に見立て両手で持ちながら、「はいごめんよ、はいごめんよ」(^o^)

これはもちろん落語の話ですが、日本刀の切れ味を知っている人が作った演目ではないかと思っています。