トイレットペーパー騒動

マスクだけでなくとうとうトイレットペーパーまで店先から消えたようです。
思い返せば昭和48年にも同じようなことがありました。
デマだとわかっていても行列に並ぶ人たちばかりのようですが、デマだとわかっていない人の方がまだマシです。

 

芥川龍之介の小説に「蜘蛛の糸」というのがあります。極楽に行きたいと思う男がお釈迦様が垂らした蜘蛛の糸をよじ登ります。下をみると同じような人たちがたくさん登ってきます。男は「下りろ!この糸は己のものだ!」その瞬間、男の真上で蜘蛛の糸は切れる・・・
実によく出来た話です。

 

地獄にも極楽にも同じ食事が用意されると言う話があります。ただ箸がものすごく長いので、なかなか食べられないわけです。地獄では食べるのに四苦八苦ですが、極楽では箸で掴んだ食べ物を向いの席の人の口に入れてあげます。すると他の人が食べ物を自分の口に入れてくれます。

地獄では四苦八苦して空腹。極楽ではお互いに気持ちよく満腹。
置かれた状況は同じでも結果が全く違います。違いはそこにいる人だけです。
こちらもよく出来た話です。

 

実はトイレットペーパーは余るほどあるはずなのに、みんなが奪い合った末に無くなってしまう。
これもよく出来た話です。いやこれは現実でした。