ヒゲダンス

新型コロナウィルスで志村けんさんが亡くなりました。

 

ザ・ドリフターズの荒井注さんの代わりとしてテレビに出始めた当初は若さゆえか力が入り過ぎて、やや空回りしていた記憶があります。やはり圧倒的に加藤茶さんの方が笑いに対して場慣れしていました。子供だった私にもそれがわかるくらいですから、多分大人たちの評価も当時はそうだったのかも知れません。ただその後の活躍は世間の知る通りです。

 

志村けんさんのいろいろな芸の中で、「ヒゲダンス」だけはちょっと芸風が違うなあと感じていました。やはりある方が「ヒゲダンス」はMr.ボールドという関西のピン芸人がやっていたものをアレンジしたんだというようなことを言ってました。またある方は1930年代にハリウッドのドタバタ喜劇映画で活躍したマルクス兄弟の一人、グルーチョ・マルクスにまで遡る事ができるという方もいます。確かに風貌は似てますね。

 

な〜んだパクリだったのかと思ってMr.ボールドの動画を観ました。確かに投げたリンゴを口に咥えたフォークで刺して受けるというような大まかな動きは同じですが、笑いの本質的な狙いは全く違う角度のものだと感じました。何が笑いの中心になるのかという面から観ると全く別物なんです。

やはり志村けんさんはただものではありませんでした。

 

動きは同じように見えても、本質的な中身が全く違うということは武術でもあります。わかる人にはわかります。

 

 志村けんさんのご冥福をお祈りします。