老人の詩

吉田拓郎の歌に「老人の詩」というのがあります。(「青春の詩」の替え歌ですが)
その歌詞の中にこんな部分があります。

 

「この貴重なひとときを老人は何かをしないではいられない♪」

 

まあ一般的に若者に比べて生きるであろう時間が短いのだからそうなるのも頷けます。

 

先日、大きな病院のある科で順番を待っている時です。
1人の老人が近くを通った看護師の方に「なんでまだ開かないのか!」
と文句を言いました。まだ定刻の15分前です。自分が勝手に早く来ただけなのに。

 

しかしそれを聞いていた他の老人たちがなんと一斉に窓口に押しかけました。

看護師の方たちが「もう少し準備に時間がかかりますので・・・」と言っても老人たちは聞く耳を持ちません。もちろんソーシャルディスタンスなんか完全に無視です。

 

看護師の方々がコロナ対策でいつもとは診察方法が違うことを一生懸命に説明しようとしますが、老人たちはほとんど聞いていません。当然聞いてませんから混乱します。混乱するとさらに診察開始が遅くなります。

看護師の方も大変です。

 

どんな世界でもそうだと思いますが、師の話を正しく聞いて、まず素直にやってみることが出来る人の上達が速いのは同じです。

 

ちなみに診察ですが、結局ズーッと静かに座っていた男性老人が一番最初に診察室に入って行きました。

 

「貴重なひとときを老人はなにかをしないではいられない」のかも知れませんが、かえって「貴重なひととき」を無駄にすることにもなりかねません。

 

特に男性の老人には人の話を聞かない傾向があるような気がします。
自身に振り返って気をつけたいと思います。