SOCIAL DYNAMICS

藤井聡太七段が棋聖戦を制して最年少でタイトルを獲得しました。30年ぶりの新記録だそうです。
藤井聡太七段、おめでとうございます!

 

藤井七段はAIを相手にすることで強くなったと言われています。生まれた時からインターネットやパソコンのある生活の中で育った藤井七段は「新しい将棋世代」と言えるかもしれません。

 

時代が変わった瞬間を感じられる人は意外と少ないと言われます。
「IT革命」という言葉が出てきた時に正直「革命なんて大袈裟な〜」と思っておりました。

今、遅ればせながらその「IT革命」を痛いほど実感している私です。

いや、もう時代はIoT、AIです。

少なくとも20年以上は遅れてますね。

でも時代に乗り遅れた人は意外に多いと思います。

 

先日、NHKの歴史番組「英雄たちの選択」で土方歳三の「選択」を取り上げていました。

 

この日の番組の選択は「奥羽」に留まるか?「新天地」に行くか?でしたが、それ以前の「宇都宮城の戦い」での土方歳三の戦術なども解説していました。

 

「宇都宮城の戦い」は士気を維持するために土方歳三が脱走兵を斬ったことで有名ですが、鳥羽伏見以降負け続けていた幕府軍を初めて勝利に導いた戦いです。

 

私は宇都宮市にご縁があって同市を訪問する機会が多く、もちろん宇都宮城(今は城址公園になっていて、本丸の一部が外観復元されています)にも行ったことがあります。

 

初めて行った時には復元宇都宮城が石垣ではなく土塁だったので、お金がなくてそこまで復元出来なかったのかと勝手に思い込んでいましたが、宇都宮城は元々土塁なんですねぇ。知らないというのは恐ろしいもので、お恥ずかしい限りです。

 

さて、この番組では当時の指揮命令系統と身分の逆転がいかに大きな問題だったかが議論されていました。
政府軍も幕府軍も新撰組もそうした内在化した問題を抱えながら戦っていたわけです。

 

江戸時代に洋学を学んだのは一部の下級武士だけでしたので、洋式軍隊の知識が無かった上級武士に指揮命令を任せることが難しかったわけです。


これは現代で言えば、ITで育って来た部下と相変わらずITを使えないアナログな上司という構図と一緒なのかもしれません。

そう言えばちょっと前に随分と世間から批判されたIT担当大臣がいましたね。

 

奥羽越列藩同盟の会議で榎本武揚から惣督に推薦された時の土方歳三の言葉は強烈です。その時、既に土方歳三は髷を切り洋装でした。

 

「三軍を指揮せんには軍令を厳にせねばならん。若し是れを厳にするに於て。背命のものがある時は御大藩の宿老衆と雖も此の歳三が三尺の剣に掛けて斬って仕舞はねばならぬ。去れば生殺与奪の権を惣督の二字に御依頼とならば受けますが、其辺は如何がなものでありませうか」

 

大藩の宿老達はさぞかしうろたえたでしょうね〜。
元は農家の末っ子だった土方歳三が大藩の家老達の生殺与奪権を握るなんてとても受け入れ難いことだったでしょう。

 

IoT、AIへと大きく変わっている今の時代は明治維新と同じくらい変革の時なんだと思います。

 

K・E・BOULEING「A PRIMER ON SOCIAL DYNAMICS」

 

大学卒業時、恩師からいただいた本を思い出しました。