真実への鉄拳

先日、NHKで「真実への鉄拳」と言う番組をやってました。

副題には"中国・伝統武術と闘う男"とあります。

 

闘う男の名前は徐暁冬。総合格闘家です。

彼はその実力に疑義があると思う「伝統的中国武術家」をネットなどで批判します。彼はこんなことを言います。

 

「中国の武術界にはウソが多い」

「特に伝統的な武術には偽物が多い」

 

そんなことを言った結果として、当然「伝統的中国武術家」と名指しされた人やその門弟が彼に挑戦してきます。そしてそれらを次々と倒していきますが・・・

 

中国では、映画「イップマン-序章-」などの影響からか「中国人武術家」と「日本人武術家」との対戦が盛んなようで、特に「日本人武術家」が「中国人武術家」に負ける試合が一番盛り上がるそうです。

 

昔、力道山がアメリカ人悪役レスラーをやっつけて盛り上がったのとよく似てます。中国では「日本人武術家」と名乗って稼いでいる別の国の人もいるそうです。

 

番組では徐暁冬氏が段々と武術団体や国から追い詰められていく様子が取り上げられてます。

キーワードは「愛国」です。

 

伝統的中国武術が国威発揚プロパガンダに利用されている状況下で彼は嫌がらせを受け、社会スコアは減点され生活もままならなくなります。家族は脅され、彼のジムは潰され、ネットからは削除され、謝罪させられ、「格闘狂人」と呼ばれなから段々と力を削がれていきます。

 

そして番組の最後にファンを前に徐暁冬氏はこんな挨拶をします。

 

「みんなに言いたいことが二つある。一つは独立して考える能力を持って欲しい。もう一つは不正に遭遇した時にどうするか?正面から抵抗する人も、告発する人もいるだろう。でもどうにもならない場合は、せめて沈黙していて欲しい。悪党が悪事を働くのを助けないことだ。少なくとも加担しないでくれ。耐えてくれ。あとの闘いは俺が引き受ける!」

 

「闘う」こと、武術団体、武術のあり方などいろいろ考えさせられます。