ランチを共にした会員のOさんからこんなことを言われました。
「食べるの速いですねー」
Oさん自身も食べるのが速いそうですが、そんなOさんよりも私は食べるのが速いそうです。
「仕事ができる人は食べるのも速い」
そんな都市伝説を信じている訳ではありません。
私は熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに食べるのが一番美味しいと思っていましたから、とにかく提供された時点からなるべく早く食べるのが一番だと信じていました。
しかし、最近その頑なな「信念」が崩れました。
いつもは熱々のコーヒーをここぞとばかりに急いで飲んでいたのですが、ある時、話に夢中になって常温のコーヒーを飲むことになりました。
これがなかなか味わいがある!
熱々では味わえなかった苦味、酸味、コクなどがハッキリと舌に感じられました。石田三成の「三献茶」が思い出されます。
私はこれまでコーヒーの何を味わっていたのか?
考えてみればゆっくり食すことで、時間経過とともに料理の熱い時から常温までの温度変化と味の変化を楽しめます。味は刻々と変化していきます。その変化の楽しみを初めて感じました。
いろいろな料理を試してみました。もちろんフィットしないものもありましたが、多くはゆっくり食べることでその料理の味の変化が感じられて、概ね良好でした。
やはりゆっくり食べるのはいろいろな変化も味わえるのでマルのようです。
身体にも優しいですしね。
稽古ではゆっくり動くことを良しとしてますが、こちらもゆっくり動くことで自分の動きのなんたるかを知るには大変有効だと思っています。
ゆっくりした動きで変化を感じつつ、稽古を楽しむ、静稽会の稽古はこうありたい!