青江つながり

備中青江派の刀は澄肌と言われ「青き地に鉄色変りて所々黒目に見ゆる」という特徴があるそうです。

青江派の刀には有名な「にっかり青江」という名刀があります。

青江貞次の作とされていますが、この刀にはこんな伝説があります。

 

近江国の武士がある晩歩いていると、若い女が、にっかり笑いながら近づいてきたため、怪しんで斬り捨てたところ、翌朝、石灯籠が真っ二つになって転がっていた・・・

 

にっかり笑いながら近づいてくる人は昼間でも怖いです(笑)

 

先日、成田山新勝寺近くの鰻屋でうなぎが焼き上がるのを待っていたところ、テーブルの上に小冊子が置いてありました。ペラペラめくってみるとその中に歴史家の磯田道史氏が書いた「うなぎの始末」という文章がありました。

 

磯田氏の母親の実家が岡山県児島湾岸の八浜(はちはま)で、この地域は「ハチアオ」といわれる名鰻の産地として有名なんだそうです。磯田氏が子供の頃、その美味しいうなぎを食べていたというエピソードが書かれていました。元々は青江村(現在の岡山市南区青江)が「アオ」の由来とも言われているようですが、実は「ハチアオ」は黒の中にも青味がかったうなぎなんだそうで、磯田氏はその青(アオ)色が名前の由来なのではないかと書いてました。

 

これでやっとうなぎと刀がつながりました!

不思議な青江つながりです。

 

ぜひ青江の刀の青とハチアオの青を比べてみたいと思っています。

 

「あ~でも青江と言えばまず青江三奈だよな〜」などと思って焼き上がったうなぎを食べていると、刀を持った青江三奈がニッカリ笑って近づいてくる・・・そんな突拍子もない想像をしてしまいました。失礼!

 

ちなみに歌手の青江三奈さんは東京都江東区南砂の出身で「青江三奈」は芸名です。この芸名の由来は作詞家・川内康範が『週刊新潮』で連載していた小説「恍惚」のヒロインの歌手の名前だそうで、青江つながりの話とは関係なさそうです。

お後がよろしいようで。