臥龍鳳雛(がりょうほうすう)

意外にも高名な武術家の先生の中には子どもの頃は「スポーツはダメだった」という方がいらっしゃいます。

 

本当なんでしょうか?

あんなすごい動きが出来るのだから、さぞかしスポーツも出来ただろうと思ったりしますが・・・

 

確かに一般的なスポーツと武術の違いは大きいと感じます。そもそも同じジャンルで比べることが間違っているのかもしれません。

 

発明家のエジソンは小学生の頃には教師から「too stupid to learn anything」と言われ続けたそうです。大人になってからも彼はいろいろと常識外れなことをやらかしてます。でもそれが発明家としての「能力」だと考えれば納得できます。

 

その人の「能力」がどこで活かされるかと言うのは重要です。活かす場を見つけられた人は幸せです。

 

また評価されていない「能力」の中には時代が変わると違った評価になるものがあります。

例えば昔はゲームが上手な「能力」などは今とは全く違う評価でした。

 

最近、テレビによく出るフワちゃんは芸人時代は全く評価されなかったそうです。しかしYouTuberとして成功しました。昔も今もやっていることはあまり変わっていません。

 

世の中には時代の評価が追いついていない「能力」を持った人がまだまだたくさんいるのではないかと思っています。

 

人事面談などで家柄やルックスで評価したといわれると不当に感じますが、「能力」で評価したと言われると途端に真っ当に感じてしまいます。

 

しかしその評価は一体いつの、どんな場の、どんな「能力」を評価しているのでしょうか?

 

静稽会のOさんは剣術稽古の時に遠間から大きく踏み出して、いきなり近間に入ってくるので、約束稽古が上手く成り立たないことがあります。

それはOさんの体が「約束」よりも相手を確実に「斬る」ことを無意識に優先しているからだと思っています。

 

政府軍抜刀隊で斬り合い(西南戦争)経験のある直神影流の隈元実道は

「我が鍔拳にて、敵の頭まを打割ると覚悟して、深く踏み込みたるとき、漸く(ようやく)我が切っ先、敵の眉間に達せんとす。」

と言ってます。

 

私はどんな場合でも無意識に間合いを詰めて斬ってくるOさんが実戦では一番恐ろしい相手だと思っています。