あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします!
昨年は市川市からの依頼で居合講座をやらせて頂き、その流れで静稽会とは別に初心者限定の稽古会を立ち上げました。その後半年間、初心者の方たちと稽古を続けてきて思うところが多々ありました。
当初は関節の可動域が狭かったり、基礎体力が無いことから最も基本的な動きが出来ないということに直面しました。
例えば木刀が重くて持ち続けられないという方もいました。他にも蹲踞が出来ない、正座が出来ないなどなど。
しかも初心者の会は月2回のペースです。
こうした方々にどう向き合ったら良いのか?
2019年2月18日付け「静稽録」に「経験年数」という題で合気道を10年やっているという人の話を書きました。
ただし10年とは言っても月1回ペース。しかも途中ブランクもあるらしい・・・これをどう考えるか?
その時のわたしは「どんな武術でも「月1」では何年やっても身につかないのではと思います」とバッサリでした。
今は少し違います。
むしろ月1回を10年続けているのはある意味凄いと(笑)
最近、あちこちに出来ている「choco ZAP」
スキマ時間にサクッと通えるスポーツジムです。
初心者でも簡単に使えるマシーンを置いているそうでトレーナーなどはいません。
「1日5分のトレーニング」「普段着のままでOK」などのキャッチフレーズで結構流行っています。
また女性のみを対象にした「カーブス」というのも盛況なようです。
こちらも「気軽なフィットネス」が売りです。
健康のためや体力の衰えをなんとかしたいという人たちは相当数います。
しかし本格的なトレーニングは体力的にも金銭的にも時間的にも無理・・・choco ZAPやカーブスはそんな人たちの潜在的ニーズをうまく吸い上げています。
一方、敷居が高いと言われる武の世界です。
やってみたかった武の世界に意を決して「入門」すると、偉い「宗家」「師範」「先生」が耳慣れない「専門用語」を使って一方的に教えを垂れ、かつ「道」まで説く・・・そこに入門者の方々の声はほとんど届きません。
おそらくそんな武の指導者たちはchoco ZAPやカーブスなどを鼻で笑っていると思います。
我々をあんなお手軽なものと一緒にするなと。
私はchoco ZAPやカーブスのシステムに全面賛成している訳ではありません。
「お手軽」「簡単」なものは所詮、それなりの結果しかもたらさないだろうとも思っています。
しかし世の中には本格的にやりたいけど出来ない事情を抱えている人はたくさんいます。みんながみんなすぐ本格的な取り組みが出来るわけではありません。
でもその時の「やってみたい」という気持ちは大切です。
「お手軽」「簡単」で始めても続けているうちに、体力や環境や事情、さらには気持ちが変わって、もしかしたら本格的な取り組みが出来るようになるかもしれない。
100人のうち1人でもそんな人がいれば十分存在価値はあるのではないか?
また武術の稽古は神速の動きや戦うことが目的の人たちだけのものではないのではないか?
そんなことを考えるようになりました。
「月1」をバッサリと斬り捨てていた自分はまだまだだなと思っています。