姿勢考

「居合をやると姿勢が良くなりますか?」

 

昨年、居合講座を開催した時にこんな質問を受けました。

 

「みなさんが考える「良い姿勢」とはどんなものですか?」

 

と問い返しました。

 

どうしても学校で習った「良い姿勢」、いわゆる「気をつけの姿勢」をイメージしている方が多く、そこへ向かってスタートすると全く話が噛み合いません。

 

誤解を恐れずに言えば私は「良い姿勢」は「楽な姿勢」だと思っています。

ただし「短時間の楽」ではなく、「長時間の楽」です。

 

坐禅を組んで学んだ姿勢は正に「楽な姿勢」でした。

緩んで、軸を立てて坐る以外の力が入っていない姿勢です。

立っている時も同じです。

これは居合の姿勢と共通しています。

 

こう言うと「楽すると逆に姿勢が悪くなるのでは・・・」と言う人がいます。

 

力が入った辛い姿勢では長くは坐れ(立て)ません。

何か大事な行事の時だけ我慢して非日常的な「良い姿勢」を手に入れたいというのであればそれでも構いませんが、私の考える「良い姿勢」は日常的に「良い姿勢」です。

いつでもどこでもどんな場合でも維持出来る「良い姿勢」です。

 

常に「良い(楽な)姿勢」を保つためには基本的に骨を重力に対して無理なく積み上げるイメージが必要です。さらに骨のバランスを支える筋肉もある程度は必要になります。非常に簡単に言ってしまえば体幹です。

 

こうした「良い姿勢」ならば居合を稽古することで手に入れることは可能です。

 

居合稽古で手に入る「良い姿勢」は力みの無い、身のこなしが美しい、スキの無い姿勢です。そしてそれは健康に資する姿勢でもあります。