神々が宿る日本刀

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 

元旦には毎年刀の手入れを行います。

朝の太陽の光に向かって刀を手入れをしていると心も美しく清められるように感じられます。

日本刀は火と水の中をくぐって出来上がります。

 

神(カミ)は火(カ)と水(ミ)の言霊の融合から出来ているといった方がいますが、まさに日本刀は火の神と水の神により人智が及ばない神器になります。

 

日本刀の美しさの一つに反りがあります。

居合を稽古している人でも反りの出来方を知っている人は意外と少ないです。

日本刀の反りは焼刃土の役割で作られた性質の違う峰側と刃側が焼き入れの時に冷やされて体積差が出ることで刃先に圧縮力がかかって作り出されます。

反りはある程度の調節は出来るそうですが、やはり自然に委ねた美しさには及ばないと言います。

 

作刀の難しさは自然を通して完成度が決まるところだと静稽会顧問の刀鍛冶の方に教えていただきました。

日本刀は神の領域に委ねる部分があるからこそ神々しさが生まれるのかもしれません。

そして神器である日本刀は美しくなければならないという刀鍛冶の方たちの思いもこめられています。

 

日本刀の「美しさ」は「清らかさ」でもあります。

私はそんな日本刀に触れて行う稽古もやはり美しく、清らかでありたいと思っています。

 

日本刀に触れる稽古は単なる運動ではなく心を洗う営みでもあります。

日本刀稽古の後で「スッキリする」のは世俗の汚れを洗い落とし、ほんの少しの間でも心を清めるからなのではないかと感じています。

 

今年も日本刀に宿る神々とともに稽古が出来ることに感謝して、安全に楽しく、そして静かに稽古したいと思います。

 

よろしくお願いします!