先日、私が住んでいる市から私個人宛にこんなメールが届きました。
「 現在、国では生徒の多様なニーズへの対応や教員の働き方改革等を目的として、学校部活動の地域展開(旧名称:地域移行)を進めています。
本市におきましても、市内公立中学校の土日祝日の部活動について、地域展開に着手しており、現在、部活動に代わる地域クラブ活動の指導にご協力いただける指導者を募集しております。ー中略ー
地域クラブ指導者としての活動について、興味の有無をお伺いさせていただきます。ー以下省略ー」
少子化や興味の多様化に伴い学校の部活動が危機に瀕しているという話はよく耳にします。
少子化になれば必然的に先生の数も少なくなります。生徒がたくさんいた時には先生間で分担出来た行事や部活動もなかなか難しくなっていると言います。
また生徒の興味も多様化していることもさらに拍車を掛けています。生徒がやりたい部活動が学校にないといったこともある様です。
そもそも部活動はほとんど先生達の「善意」で成り立っていて、先生の大きな負担に対して正当な報酬が払われてないのが現実です。
色んな意味で部活動が危機に瀕しています。昔、部活動でお世話になった私としてはさみしい限りです。
そこで最近言われているのが「地域クラブ活動」です。
要は忙しい先生に代わって地域にある人的資源を有効活用しようという試みです。
地域には多様な人材がいます。また多様な活動をしている団体があります。
そこで学校の部活動を地域に担ってもらおうという動きが出てきています。
そんな動きの一環が市から私に来たメールというわけです。
静稽会は昨年、中学生が入会しました。
孫のような中学生と一緒に稽古しています。
これは「地域クラブ活動」とは全く関係のない動きです。
ただおそらく全国で「居合」の部活動のある中学校はないだろうと思います。
最近の漫画やアニメなどの影響で「居合」をやりたいと思っている中学生はいても学校の部活動では出来ないのです。
中学校の体育系部活動のほとんどは「スポーツ」です。
実は日本スポーツ協会の定義の「スポーツ」の枠に「居合」は入っていません。
剣道、空手、弓道などは「スポーツ」として認定されているのにそこに居合が入らないのは何故か?
その理由は「スポーツ」が「競う」ものという定義からです。
同じような理由から合気道なども入らないことになります。
「スポーツ」という枠組に拘らず、もう少し広く「運動」という視点からスタートすれば子供だけでなくフレイル予防ニーズなどがある高齢者も参加できる「地域クラブ活動」になるような気がします。
(静稽会は別団体として「健美居合会」という高齢者対象の居合稽古団体を指導しています)
いろいろな理由で「運動」はしたいが、あまり激しいものは望まないという人も多いです。また「競う」ことを嫌う人たちもいます。
もう少し弾力性を持たせて「地域クラブ活動」ができれば、学校が抱える部活動問題も上手く社会の中に落とし込むことが出来るのではないかと思ったりします。
ちなみに昨年5月に入会した中学生会員は稽古が楽しいそうです。
私は稽古が楽しいと言ってもらえるのが一番うれしい!
今回はだいぶ長くなりました。