ご縁のあった某企業の会長車のナンバーは「3」でした。
ある時、その車で送っていただいた際に
「車のナンバーが「3」でしたが、やはり長嶋茂雄さんのファンですか?」
とお聞きしたところ、
「ファンなんていう言葉では言い表せません」
と笑いもせずに言われたことを覚えています。
会長は「ファンなんて軽々しく言わないで欲しい!」と言いたかったのかもしれません。
世の中には長嶋茂雄さんの「信奉者」と言うべき人がたくさんいます。
それくらい高度経済成長期の「お父さん」たちの心の支えになっていたのかもしれません。
そんな長嶋茂雄さんが亡くなりました。どのテレビでも連日特別番組を放映しています。
私も長嶋茂雄さんの選手時代をリアルタイムで知る年齢ですが、残念ながらそこまでの思い入れはありませんでした。もしかしたら少し年齢が足りなかったのかもしれません。
その後は監督として不遇な時期や右半身麻痺からリハビリに励む姿を目にしてきました。
長嶋茂雄さんは現役時代には決して練習しているところを見せなかったそうです。ところがリハビリしている姿は敢えて積極的に公開しました。
必死でリハビリに励む姿は野球ファンだけでなく病気と向き合うより多くの人たちを励ましたと言います。
私は立教大学出身の長嶋茂雄さんの頭の中には聖書のイメージがあったのではないかと思っています。
長嶋茂雄さんが右半身を引きずりながら歩く姿は十字架を背負って「悲しみの道」を歩くイエスの姿に重なります。
ちなみに背番号である「3」という数字は聖書の大切な場面によく出て来ます。
・東方の「三」博士
・イエスが悪魔から「3」回誘惑を受けて退けた
・ペテロはイエスを「3」度否認した
・イエスは十字架に架けられる前に「3」度祈った
・イエスは磔刑から「3」日目に復活した
などなど
さらには「三」位一体というのもあります。
「私にとって長嶋茂雄は神です」と言い切る人も少なくありません。
そんなファンの中には「信奉者」がいても不思議ではない気がします。
偉大な先輩のご冥福をお祈りします。