「キングカズ」こと三浦知良選手は今年58歳、プロ40年目だそうです。
今でも現役プロサッカー選手としてアトレチコ鈴鹿クラブで活躍しています。
58歳三浦知良選手の静かな覚悟を感じる言葉です。
「40、50になってうまくなりたい、試合に出て活躍したい、そういう気持ちが20、30代の時よりも強くなっていった。まだうまくなりたいと本気で思っていることがモチベーション」
そんな三浦知良選手の覚悟とは比べものになりませんが「まだうまくなりたい」という気持ちは私も持っています。
一般的に「武道界」には「段位」というものがあり、一度段位を取得するとその後に段位が下がることはありません。
こう言った制度はサッカー界にはありません。もちろん野球界にもテニス界にも。
数年前に「居合道四段です」と言う方が静稽会の体験稽古に来たことがあります。
まだまだ若い方だったので段位取得からそれほど時も経っていないはずですが、はっきり言ってとても「四段」と言えるような動きではありませんでした。
その方がウソをついているとは思えません。
私などは数回稽古を休んだだけで刀が重く感じます。
何年もブランクがあれば尚更だと思います。その方も何年もブランクがあったのかもしれません。
実は静稽会には居合道五段(剣道五段も)を取得されている方がいらっしゃいます。
大変控えめで物腰の柔らかい人格者です。
その方は決して人前で「居合道五段」をひけらかすようなことはしません。
しかしその実力はスピード、迫力、所作の美しさなど、どれをとっても「なるほど!これが五段か!」と思わせてくれるものがあります。
そしてその方は今でも自身を鍛錬し研鑽を積んでいます。
素振りや稽古を見ればどの程度の実力かはだいたいわかります。
やたら段位をひけらかしてくる人に限ってその段位程の実力がある人はほとんどいません。
やたら「居合道四段」を強調していたその方はその後お見かけしていません。
静稽会には段位はありません。
稽古総見での年一回限りの演武だけがその人のその時の実力だと自分自身も周りも認識します。それを毎年映像に残します。私はそれで十分だと思っています。
いつまでも過去の段位という紙にしがみついている人には三浦知良選手の気持ちは分からないかもしれません。
続けて三浦知良選手の言葉です。
「こんなプレーしかできないのかと情けなくなる時もありますし、落ち込むこともあります。ただ、そういう感情でいられるのは幸せなことなんじゃないかと思っています」
「うまくなりたい」という気持ちがあるからこそ稽古を楽しく続けることが出来るのだろうと思っています。