鳴かぬなら自分で鳴こうホトトギス

「最近の若者は挨拶もできない!」

 

こんなことを言う高齢者がいます。

本当でしょうか?

 

私の印象ではむしろ高齢者、特に男性高齢者の方に挨拶のできない人が多いように感じますが・・・?

少なくとも私の知る若者たちはちゃんと挨拶をします。

 

武道は「礼に始まり、礼に終わる」と言います。

たまたま私の周りには武道を嗜む方が多いからなんでしょうか?

 

実は海外、特にヨーロッパに行くと「日本人は挨拶しない」と言われることがあります。

礼儀正しいと言われる日本人がそんなことを言われるのは意外です。

 

ヨーロッパでは飲食店や商店などへの入店時に客側から店員に挨拶します。

会計時も、退店時にも客側から挨拶します。

 

入店時に「こんにちは」

会計時に「ありがとう」

退店時に「さようなら」

 

ヨーロッパでは客側から挨拶するのがマナーなんだそうです。考えてみれば他人の「家」に入っていく訳ですから当たり前かもしれません。

 

日本では店側から「いらっしゃいませ」を言うのが一般的で、それを無視して入店する人も多いです。

 実はヨーロッパの人たちはこう感じています。

 

「黙って店に入ってきて何も言わずに勝手に品定めをして黙って店を出ていく日本人はとても不気味で失礼」

 

なぜなんでしょうか?

 

もしかしたらその理由は日本人の挨拶には「序列」があると考える人が多いからかもしれません。

 

昔、職場の先輩にこんな人がいました。

 

後輩である私の「おはようございます」に対しては顔も見ずに

「ああ」

これはまだマシな方で完全に無視される後輩もいました。

 

その先輩よりも目上の人に対しては先に

「おはようございます」

同じ目上の人でもその先輩なりの序列があるようで、挨拶が微妙に細分化されていました(笑)

 

さらに上長に対しては立ちあがって礼をしながら

「おはようございます!」

 

よくもあんなに変えられるものだと感心したことがあります。

 

これほどあからさまでなくても日本人の挨拶はどうやら「序列」で変わるようです。

 

例えば

 日本では「お客様は神様」?

店員が先に挨拶するのは当たり前。それに対して挨拶を返さなくても構わない・・・

 

日本は「長幼の序」だから若者は年長者に対しては先に挨拶するべき。先に挨拶しない若者には挨拶する必要はない・・・

 

実は先日、稽古合間の雑談で確認メールを返さない若者が多いとぼやいたところ、Hさんから「最近の若者は指示されないことはやりませんが、指示されたことは素直にやる人が多いです。確認したら返信下さいと書けば良いんですよ」と言われました。

     

言われなくても確認メールしてくるのが当たり前だと思っているのは「最近の若者は挨拶すらできない」という人と一緒だったと反省しました。

 

「鳴かぬなら自分で鳴こうホトトギス」

 

ちなみに「挨拶細分化」先輩はもちろん嫌われていました。

面白いことに上にも下にも。

上にも下にも嫌われていた先輩のその後はどうなったか・・・推して知るべしです。