ポジショニング

クラッシックバレエでは最初に5つのポジショニング(体の位置、姿勢)を徹底的に身体に叩き込まれます。

特に重要なのは動きの起点、終点になる足の位置で、全て股関節から脚をまわして作ります。

 

静稽会ではHさん指導の時は稽古前に必ずこのバレエのポジショニングに近い稽古を実施します。

いわゆる「素形つくり」とも言える基礎稽古です。身体を動かす時の武術的な「基準値」となる感覚を養う意味があると思っています。もちろんそれだけではありません。

 

その「基準値」からズレた時の身体のあり方を明確に把握することができるようになると動きの修正が比較的容易になります。

さらに進んで「基準値」を意図的にズラすことで様々な動きに柔軟に対応していくことが可能になります。

 

「基準値」がクリアになることで微細なブレにも敏感に反応できようになって変化の可能性が広がります。

そのためにはまず「基準値」をしっかり身体に覚えさせなければなりません。特に初心者の方々はこの稽古の意味を知ってしっかり取り組むと先々の稽古がスムーズになると思います。

 

バレエでは自分のポジションのことを「カスタマイズドポジション」というそうです。

武術的「カスタマイズドポジション」が年々変化しているのを感じている私です。

 

いずれにしても初心者、ベテラン問わずHさんの「ポジショニング」稽古は続けていく必要がありそうです。

 

ちなみにこのポジショニング「稽古」ですが、あまり鏡を使わない方が良いかもしれないと思うようになりました。

鏡に映る自分の身体を修正するというやり方は鏡の中の自分に意識が飛びすぎてしまう傾向があります。

 

鏡を見ずにもっと自分の感覚を内側に没入させていくようなやり方の方が適していると感じるようになりました。

これは稽古全般にも言えるかもしれません。