縁のある刀

2025年11月1日〜2日に第37回大刀剣市が開催されました。

初日は午前中の稽古を終えてから足を運びました。

 

するとある刀屋さんが出しているブースの刀に目が釘付けになりました。

私がこれまで大刀剣市で見た刀の中で最も欲しいと思った刀でした。

もちろん武用としてです。

 

実は最近、年のせいか差し料の「吉廣」(二尺五寸二分、1300g)が重く感じるようになりました。これから先のことを考えるともう少し重さを抑えた刀にした方が良いのではないか?と感じていたところでした。

 

そんな時にドンピシャの刀が目の前に現れた訳です。

 

新々刀、在銘、在年紀銘、二尺三寸八分、直刃、反り尋常、重ね尋常、身幅尋常、重さ、バランスとも良し。時代拵え付き、白鞘付き、鑑定書付き。しかも値札はなんとか頑張れば手が届く値段で、今の差し料を手に入れた時の値段よりも安かった。さらに店主は「勉強します」とのこと。

 

その日は後ろ髪引かれながらも決断出来ずに帰宅。

夜は様々な購入の言い訳を考えていたせいか眠れず。

翌日も午前中の稽古を済ませてから、急ぎ足でまた大刀剣市へ。

 

ところが・・・なんと売約済・・・

まあ、そうだよなあ〜

居合を稽古している方に買われたそうです。

それは、まあ、良かった・・・


しかもその方は値札通りで買われた様子。よっぽど気に入られたのでしょう。

 

刀は持つべき人と縁で繋がっていると言われます。

私とは縁がなかった・・・


考えてみれば今の差し料も江戸時代初期頃に作られてから今まで何人かの人の手に渡り、縁あって最終的に私の差し料となっている訳です。

 

私には「吉廣」の方が縁のある刀だったのでしょう。

 

改めて「吉廣」とともに稽古することを誓い、この刀が振れなくなった時には静かに刀を置いて次の人に引き継ぐ覚悟をしました。