「分からないことを分かっていないと、分からないことは分かりません」
なんだか禅問答のようですが、先日まで放映していたNHKドラマ「テミスの不確かな法廷」の中の裁判官安堂清春のセリフです。
松山ケンイチさんが演じていました。
安堂は幼少期に発達障害の診断を受けており、自分は「宇宙人」なんだと感じて以降は「普通」を装って生きています。しかしそれによってさまざまなストレスにさらされることになります。
一方で発達障害特有の「こだわり」が真実をあぶり出し、上記のセリフとともに事件を解き明かしていくというドラマです。
初心者の方によくあることですが、「分からないこと」を分からないままにしているうちは何回やっても先には進みません。どこまでいっても出来ないままです。
最近、健美居合会の方々から稽古中に質問が出るようになりました。
3年目にして「分からないことが分かってきた」のだと思っています。
さらに安堂裁判官風に言えば
「出来ないことを出来ないと認めなければ、出来ないことは出来ません」
稽古はまず出来ないことを出来ないとちゃんと認めるところから始まります。特に初心者は恥ずかしさなのか誤魔化して出来たフリをしたり、自分勝手に条件を緩和して出来たという人がいたりします。
まずは分からないことを分からない、出来ないことを出来ないと認めることが大事です。
新しいことを習いに来ている訳ですから分からないことや出来ないことがあるのは当たり前です。恥ずかしいことではありません。
そう言えばこのドラマの最終回で安堂はこんなことも言います。
「人間の歩行は不安定で常に転びそうになりながら歩いている」
ドラマの中で転んでばかりの安堂は歩き方もちゃんと心得ています。
