毎年今の時期は稽古見学や体験希望者からの問い合わせが増えてきます。そして見学や体験に来られた方たちからいろいろな質問をいただきます。
「護身に役立ちますか?」
「美しい所作が身につきますか?」
「姿勢が良くなりますか?」
「集中力は上がりますか?」
せっかくやるのだから何かの役に立てたいという気持ちはよくわかります。
しかし、私は「役に立つか?」を基準に始めることをお勧めしません。
「ぼのぼの」というマンガで趣味について悩む主人公ぼのぼのに対して友人のシマリスくんはキッパリとこう言い切ります。(「ぼのぼの」はなかなか奥深いマンガです)
「シマリスは知っています。趣味というのは役に立たないことなのでぃ〜す」
これくらい堂々と言い切られると気持ちがいいです。
これから何かを始めようと思っている人はそれを何かに役立てようなどという「邪心」は捨てて、純粋に楽しいかどうかだけを拠り所に決めた方がよいと思います。
誤解を恐れずに言えば役に立たないからこそ楽しいとも言えます。
武術は奥が深くてどこまでも飽きることがありません。
その稽古自体が楽しいと感じられれば日々幸せな気持ちになれます。別世界(壺中天)が見えてきます。そしてそこには「段位」なども不要だと気付くはずです。
静稽会は「邪心」を捨てて稽古そのものを楽しんでくれる人を募集しています。
2022年7月2日付静稽録「役に立たないこと」
